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山本周五郎長篇小説全集 第八巻 正雪記(上)

山本周五郎長篇小説全集 第八巻 正雪記(上)

山本 周五郎

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この本について

江戸時代初期、染物職人の小伜から武士になる野心に燃え、江戸へ出奔した久米与四郎(由井正雪)は、楠木流兵学を学び、修業の旅の末に島原へ向う。その明晰な頭脳を武器に、一揆制圧に加わる浪人たちの衆望を集めた与四郎は、浪人隊を結成し幕府軍の先鋒として活路を見出そうとする。しかし、そこには狡猾な罠がしかけられていた...。久米与四郎(由井正雪)は心に刻む、「浪人だって人間だ、浪人だって妻子を食わせなければならない。たとえ人足をしても生きてゆかなければならない、それがいけないとしたら、いったいどうして生きていったらいいのか」支配権力への抑えがたい怒りを胸に、徳川のゆるぎない天下に挑んだ由井正雪の壮絶な生涯を描ききる歴史大作!第一部、第二部を収録。場面が迫る、“脚注”の力。新しい感動、新しい周五郎。

みんなの評価

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レビュー

Yoo
Yoo
2016年9月読了
江戸時代に起こった由井小雪の乱の首謀者を題材にした小説。上巻は由井小雪が成長してゆく過程の話で、島原の乱がここでのクライマックスとなっている。隠れキリシタンとの関わりの描写はやや退屈に感じたが、全体のストーリーは興味をそそるものがあり、読み急がせる力がある。さすが山本周五郎というところか。主役の小雪に加えて、小雪をひたむきに愛して帰りを待つ女の存在が重要だと言うのはよくわかるのだが、この先の展開を考えると、ついつい小雪なんて待っていないで幸せを掴んで欲しいと思ってしまう。知恵伊豆は通常はヒーローとして描かれる場合が多いだろうが、ここでは完璧な悪役。異なる視点から見ると言うのは面白い。

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