
この本について
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レビュー
こんなに荒唐無稽でデタラメで理不尽な話なのに、この清々しさはなんだろう。晴れ晴れとした切なさというか。ちょっと泣きました。傑作!
ちょっと見方や考え方を変えるだけで、世界に風穴があくというか、景色が変わるというか、今まで読んだ伊坂作品にはそんな素敵なテーマがサラリと描かれていたような気がするけれど、今回はそれがより濃くより深く、ド直球で描かれていたような気がします。どん詰まりでも、かっこ悪くてもとにかく生きろ!走れ!世界は敵ばかりじゃないさ。みたいな。
人生は苦いなぁ、どうしようもないなぁと思いつつ、人との縁みたいな目に見えないものを力強く感じられる作品でもありました。
自分と世界がどこでどんな風につながってるかなんて予想もつかないけれど、でも確実に地続きなんだよな。
この地続きの世界で生きている誰かを思うことは自分の生きる支えにもなるんだな。人との出会いってこのためにあったんだ。としみじみ思いました。
ところで、伊坂作品には学生時代の仲間たちが別々の道を歩んで、だんだん疎遠になっていって、それぞれの世界を生きていて…でもそれは仕方の無いことだ。
みたいな諦観が根底に流れている気がする。
自分の上を流れる時間と、他者の上を流れる時間の違いというか。
そんなの寂しいじゃん!ってちょっと反発したくなるのだけれど、一方で「そうなんだよな」って納得してしまう自分もいる。
大人になっちまったなぁ。。。
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