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ビッチマグネット

ビッチマグネット

舞城王太郎

3.5
6人が登録
2件のレビュー

みんなの評価

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レビュー

マキノ
マキノ
2010年3月読了
初読みの作家さん。あんまり好きな文章の書き方ではないものの、内容は読後ホンワカな家族モノで、同時に女子の成長記録だった。父親との最後の晩餐の様子がなんともいえずグッときた。ただ、いきなり弟をボコるのは、いくらなんでも…と。一気に読んだので細かいところが読みきれてないかもしれないが、それでいいような気もする
アレンジ
アレンジ
2010年8月読了
舞城王太郎初挑戦。以前「好き好き大好き超愛してる。」をちらと立ち読みしたことがあったけど、同じような文体。若い女性の話し言葉文体で異様に読点が少ない。けどリズムに乗ってさらさら読めてしまう。夜更かしして3時間程度で一気に通読してしまった。それだけ読みやすいというのもあるし、それだけ読ませる内容というのもある。自分としてはまた新しく好きな作家を見つけてしまったという印象。内容は日常的なエピソードを主人公である女子高生(最終的には就職して臨床心理士になる)の軽い口調で語っていくものなんだけど、切り口というか視点が独特で、人間心理なんか絶妙に掘り下げていて面白い。父親の不倫を原因として家族がバラバラになる中で、主人公の女子高生も心理的トラウマ?を抱えて壊れていって、いっときはこいつやばいメンヘルだなんてかなり遠いところにいってしまうんだけど、最終的には普通の大人の女性に立ち戻っていく姿に安心する。ほとんど心理描写中心で、風景描写とか少ないんだけど、キャラ的にも魅力的で共感も誘うので、ちゃんと物語として成立している感じがする。ビッチマグネットというのは、ビッチ(悪い女)を引き付けてしまう男のことで、主人公の弟の友徳がそれにあたる。安全地帯に身を置きながら周りの人間を自分の意図するとおりにコントロールするあかりちゃんに弟の友徳は付き合ってしまったり深く関与して振り回されてしまうんだけど、それを姉である主人公が助け出すみたいな。姉の弟に対する意識も執着心があってほほえましい。小説を書こうとした「私」が原稿を前にして何一つ物語が浮かんでこなかったというのもなんか現実感があって共感。みんなストーリーってどうやって考えてんの?みたいな。アメリカの映画みたいに、ずっと抑制していた心理的トラウマに気が付いて一気に問題解決なんてとならないよ、ってのも前から思ってたことだよな。

読書ステータス

読了 6人