ムーミン童話限定カバー版 全9巻BOXセット (講談社文庫)

トーベヤンソンの評伝を読んだので、改めて９冊一気読み。アニメしか知らなかった身にとっては新鮮だった。以下寸評。

①小さなトロールと大きな洪水
②ムーミン谷の彗星
③たのしいムーミン一家
④ムーミンパパの思い出
⑤ムーミン谷の夏まつり
⑥ムーミン谷の冬
⑦ムーミン谷の仲間たち
⑧ムーミンパパ海へ行く
⑨ムーミン谷の十一月

①②まだまだ固い硬質な手触り（まだまだムーミン）
③④キャラクター招集（そろそろムーミン）
⑤キャラクターが出そろい、個性いっぱい動き出す
⑥断トツに素晴らしい。夏の正規のムーミン谷ではひっそり隠れていた見えない者達が動き出す。その守り神たるおしゃまさんの振る舞いの何と理知的で素敵なこと。
⑦これが一番一話一話ごと練られて深くまとまっている（円熟ムーミン）
⑧この巻は痛い。父親ぶりたがり威張りたがりのムーミンパパがあまりに痛い。辛い。それをやり過ごす大人のムーミンママに、思春期突入のムーミントロールにマイペースの小さいミイ。そんな家族のリアルな隙間が割とリアルで、童話の域を超えている。
⑨ムーミン達に憧れた者達の幻想と現実（お別れムーミン）

ということで、⑥⑦がお気に入り。ムーミンコミック１２巻。手をだすべきか、出さざるべきか、思案のしどころ。