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ブレイズメス1990 (講談社文庫)

ブレイズメス1990 (講談社文庫)

海堂 尊

4
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2件のレビュー

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レビュー

mak246
mak246
2012年6月読了
前作「ブラックペアン1988」では研修医1年生で、高階と渡海に散々振り回された世良が、今回もインパクトのある新キャラクター天城によって振り回されるハメに。。。
その異端性の強い天城を核にエンターテイメント性のあるストーリーを展開しながら、その中に金と医療、そして建前と現実といった恒久的な問題をうまく絡ませた作品として仕上がっている。こういった問題提議の仕方は他作品でも見られるが、テンポの良い作品性とのバランス感にはつくづく感心してしまう。。

しかし、今回のこの天城は強烈だった!ここまで見事に医師として天才的な腕を持ちつつ、更には資金調達から行政へのアプローチまでこなす経営手腕と行動力を有するキャラクターは反則じゃないだろうか…
こんなのをぶつけられたんじゃ、流石の高階もキツくて当然かと。。。。
…まぁ、その位の経験を経たからこそ、今の「高階院長」が存在するのだろうが。。。
経験値と言えば、「極北クレイマー」で感じた世良への違和感も、その変化の背景に天城の存在があった事が分かって少し納得できてきた。

桜宮サーガ的な観点から興味をそそられたのは、これだけインパクトのある天城の姿がその後のシリーズでは未だに描かれていないところだろう。
少なくとも、現代の物語である「白鳥・田口シリーズ」等での桜宮市には心臓外科専門医療機関なるものの存在は触れられていない。
つまり、天城が進めるスリジエ・ハートセンターの設立を含め、その道筋が思惑通りにはいかないことを暗示している訳で、天城が唱える医療機関の有り方に対して何が立ちはだかるのだろうか?
そして、その時に高階と天城との直接対決はあるのだろうか??

読書ステータス

読了 9人

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