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沈底魚 (講談社文庫)

沈底魚 (講談社文庫)

曽根 圭介

3.3
6人が登録
1件のレビュー

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レビュー

mak246
mak246
2010年11月読了
公安物としては十分に硬派な文章で、しかも簡潔な表現ながらもしっかりとキャラクターや情景が描写されていて作者の力量の高さが窺える作品。江戸川乱歩賞受賞も素直に頷ける。その意味では好感がもてたんだが、ストーリーがイマイチ分かりづらい。。。。

まぁ、要はスパイ小説なんだから二転三転はありまえだろうし、展開的にもそれぞれの腹の探り合いは仕方ないと思う。ただ、あまりにも日本や中国・アメリカがそれぞれの思惑を元に二重三重のスパイ合戦を繰り広げ、何が正しいとか正しくないとか関係なく、ただ各々の利害の為に手段選ばずで事が進むのであまりミステリー小説としての感覚もなく、すっきりしないままで終わった感が否めない。そもそも主人公の不破の背負ってるものとかが分からないので、何故あんなに駆り立てらてたのかといった部分も含めて感情移入しにくかった。ましてや上司の凸井の考えなんかも把握できないままで。。。。

…なんか、好き嫌いを除けば出てきた主要登場人物の中では五味が一番まともだったんじゃないだろうか??

逆に腹落ちしてない割にはのめり込めるだけの文章になってたので、それなりに楽しく読めたのも事実かと。。。

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