この本について
眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体―紛うことなき、犯罪者。誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった―。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが...。比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。
みんなの評価
4
5
4
3
2
1
レビュー
zooko012
2012年4月読了
著者渾身のピカレスク小説とのことで、期待して読んだが、自分には今イチであった。主人公が高校時代に惚れた同性の同級生で、誰にでも受けのよい「ジェントルマン」だがその内実は・・。ゲイ、近親相姦的愛情、強姦・・・。刺激的なモチーフが散りばめられ、かえって意外性を欠く。また、心情面等を説明しすぎだし、多少の気取りの入った文体が好みでない。もともと自分と相性のよくない作家なのであろう。現時点での自分が凄いな~と思う女性作家は、川上弘美、三浦しをん、梨木香歩である。
この本を読んでいる人(6人)
読書ステータス
読了
6人