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地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)

地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)

一ノ瀬 泰造

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2009年8月読了
戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の手記&書簡集。
でも戦争の悲惨さを伝えようとか、平和を訴えようとか、そういう内容ではなく、ただただ「戦火の中のアンコールワットを撮る!」という目標に向かって突進していったカメラマンの物語、という感じでした。
もうひたすら熱かった!
ベトナム&カンボジア戦争の過酷な現場でただひたすらカメラをかまえ続ける日々。読んでいるだけでも凄まじい状況と血の匂いが伝わってきたのだけれど、文体が軽やかで熱くて前向きだからか、冒険活劇を読んでいるような錯覚を味わいました。
カンボジアの人たちとの交流や、物理の先生との友情、先生の結婚の話もすっごく良かった~!
希望や熱い思いの塊は、いろんなものを軽々とはねのけていくパワーがあるんだなって感じました。未熟と言われても、無謀と言われても、ここまで突進していけたらどんなに幸せだろうな。
でも結局夢はかなわないまま、彼は誰も知らないところで亡くなってしまって・・・。
刹那、って言葉が浮かびました。
ぽっかりむなしい気持ちと、熱のかたまりが心に残った本でした。

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