
みんなの評価
3.6
5
4
3
2
1
レビュー

まるで玩具のように蹂躙され、弄ばれ、こき使われて死んでいった娘の復讐を果たそうと長峰は未成年の犯人を追う。その様子が警察視点でも語られるが、その部分に人間味が溢れていてなんとももどかしい気持ちになった。警察も人間であり、復讐を果たせないまま長峰を逮捕していいものか逡巡している様子であった。本書のテーマとは、正義の刃とは何か、それは法律なのか道徳心なのか。法律は誰のために存在しているのか、加害者のためか被害者のためか。また少年法の有意性とは。そういった重苦しい、誰もがこれまで避けて通ろうとした現実をテーマとしている。この問いに対する答えはなく、正義の刃の矛先はどこに向けられているのかわからないままである。まさに「さまよう刃」である。
相変わらずこの作者は読み易い。気付けば頁を捲っていて、ついつい続きを知りたくなってしまう。その傾向は本書にも健在であった。しかし、些か話を長引かせようとしている気が窺えたのが残念である。テーマを考えると当然のことかなと迷ってしまうが。
とにかく、子供に対する親の愛情が本書には溢れていた。それは時には曲がっており、子供の擁護でしかないこともある。いくら離れていても、暴力を振るわれようとも親は自分の子供が悪人だとは信じられない。その結果、歪んだ愛情により真実が隠されようとする。しかし、この醜い姿こそ子供に対するありのままの愛情なのだと思った。
相変わらずこの作者は読み易い。気付けば頁を捲っていて、ついつい続きを知りたくなってしまう。その傾向は本書にも健在であった。しかし、些か話を長引かせようとしている気が窺えたのが残念である。テーマを考えると当然のことかなと迷ってしまうが。
とにかく、子供に対する親の愛情が本書には溢れていた。それは時には曲がっており、子供の擁護でしかないこともある。いくら離れていても、暴力を振るわれようとも親は自分の子供が悪人だとは信じられない。その結果、歪んだ愛情により真実が隠されようとする。しかし、この醜い姿こそ子供に対するありのままの愛情なのだと思った。
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