この本について
奇妙な「二人だけの孤独と自由」を過ごす中で、恒一と鳴、二人の距離は徐々に縮まっていく。第二図書室の司書・千曳の協力を得つつ、〈現象〉の謎を探りはじめるが、核心に迫ることができないままに残酷な“死”の連鎖はつづく......。夏休みに入ったある日、発見される一本の古いカセットテープ。そこに記録されていた恐ろしき事実とは!? ──ゼロ年代の掉尾を飾った長編本格ホラー、驚愕と感動の完結巻!
みんなの評価
3.7
5
4
3
2
1
レビュー
このミス2010年版第3位。ひさびさの、読みだしたら止まらない系。ミステリアスで学園ホラーとしてはとても面白い。でも、本格ミステリーとしてはどうなんでしょ。「生ける屍の死」とかの非現実的な世界を舞台にしたミステリーは、礼儀として、その世界のルールが早めに開示されての謎解き合戦になるけど、これは、ずーっと、普通のミステリーのように非現実的な状況を現実的にな手段で作り出してるのか、もともと非現実的な世界を舞台にしてるのかがわからんってのが。まあ途中からは、なんだやっぱりそうなのってなるけど。あと、核となるトリックの「やられた感」が小さい。この手のやつはトリックによって読者による犯人探しをミスリードするのが普通だけど、そうでもなく、トリックがあかされても「あっそうなの」って感じでした。まあ、綾辻さんは最初にトライした「暗黒館の殺人」を途中で断念していらい今までは1冊も読んだことなかったけど、こんななら読めそうなんで、本格ものの代表作を読んでみます。
読書ステータス
読了
22人
読みたい
2人