レビュー

zooko012
2016年2月読了
物語のうねりに完全に飲み込まれた。
本書は、馬琴が北斎に創作しつつある「里見八犬伝」を語り聴かせるという体で、里見八犬伝の物語部分の「虚」と馬琴の伝記的部分の「実」が交互に進行する。
① 里見八犬伝自体のおもしろさ(つまらないとされる後半を完全にカットし、冒頭~中盤をうまく要約)。
② ケチで細かくて押しつけがましい堅物の馬琴が、人が動物を産み、幽霊が子をなす荒唐無稽な大物語を綴ってしまうことの不思議
③ そんな馬琴に対する同じ物語作家としての山田風太郎の皮肉な眼差しながらの全面的な共感
④ 失明した舅の馬琴からの聞き書きで、文盲に近い息子の嫁が文字・漢字・故事を学びつつ、長大な物語を完成してしまうラストシーンの素晴らしさ
文句なし(オースティンにしかり、今年は物語に恵まれている気がする・・)
本書は、馬琴が北斎に創作しつつある「里見八犬伝」を語り聴かせるという体で、里見八犬伝の物語部分の「虚」と馬琴の伝記的部分の「実」が交互に進行する。
① 里見八犬伝自体のおもしろさ(つまらないとされる後半を完全にカットし、冒頭~中盤をうまく要約)。
② ケチで細かくて押しつけがましい堅物の馬琴が、人が動物を産み、幽霊が子をなす荒唐無稽な大物語を綴ってしまうことの不思議
③ そんな馬琴に対する同じ物語作家としての山田風太郎の皮肉な眼差しながらの全面的な共感
④ 失明した舅の馬琴からの聞き書きで、文盲に近い息子の嫁が文字・漢字・故事を学びつつ、長大な物語を完成してしまうラストシーンの素晴らしさ
文句なし(オースティンにしかり、今年は物語に恵まれている気がする・・)