レビュー

zooko012
2011年3月読了
良書である。たった240頁であるが、中身は濃すぎるほどに濃い。7世紀から現代まで、神道・仏教・儒教・キリスト教・修験道・新興宗教等の栄枯盛衰(?)が語られる。この本の長所は、読者に、細部はともかく、日本の宗教史の大まかなところはわかったという気にさせるところである。著者がそれだけ揺るぎない宗教史観を有していることの証左であろう。なお、同じ著者の「日本仏教史ー思想史としてのアプローチ」も好著。こちらは、橋本治が熱い解説を書いているが、あの橋本治にそのような解説を書かせたこと自体、この著者の凄さを物語っていると思う。