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花散る里の病棟(新潮文庫)

花散る里の病棟(新潮文庫)

帚木蓬生

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taka_aki
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2025年7月読了
『花散る里の病棟』(新潮文庫)は、著者・帚木蓬生による、医療を通じて人間の深層に迫る重厚な物語です。本書は三代にわたる医者の物語を中心に展開され、特に第二次世界大戦を舞台にした軍医の経験が強烈な印象を残します。

物語は、医療という職業の持つ重責と、その裏にある人間ドラマを巧みに描写しています。時代背景や戦争の影響が医師たちの心にどのように作用するのか、そしてそれが彼らの決断や行動にどのように反映されるのかが、非常に興味深く描かれています。特に戦争の悲惨さと、そこに立ち向かう医者たちの姿が交錯する場面は、読者を強く引き込みます。

著者の筆致は、登場人物たちの内面を深く掘り下げることで、彼らが抱える葛藤や苦悩を生々しく伝えます。読者は、医師たちの仕事の厳しさや、それに伴う喜びと悲しみを共に体験することになるでしょう。その中でも、戦争がもたらす影響は特に強調され、単なる医療の物語を超えて、人生や人間の本質について考えさせられます。

『花散る里の病棟』は、医療に興味のある方はもちろん、歴史や人間ドラマに魅了される読者にもおすすめの一冊です。重厚な物語の中に、医療という職業の崇高さや人間の力強さを感じさせてくれる作品。ぜひ手に取って、その世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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