みんなの評価
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レビュー

平家物語のクライマックス、巻10から巻12と潅頂巻。巻10のメインは、一ノ谷で捕らえられて都に連れて来られた重衡と、八島の陣を抜け出して那智の浜で入水してしまう維盛である。どうもイケメン××と言うもので有名らしいが、重衡は都でも、連れて行かれた鎌倉でも女性と交流し、最後に南都へ連行される時も妻に会うなど、大変なモテようである。巻11は壇ノ浦だ。壇ノ浦と言えば義経の八艘飛びだ。大活躍した義経なので、さぞかし八艘飛びで平家の公達を苦しめたのだろうと勝手に思っていたのだが、実際は、追ってくる教経に、叶わないと思って逃げたと言うのだから、ガッカリ。やはり教経は強かった。巻12は義経の都落ちだが、平家ではないので、記述はあっさり。最後の潅頂巻は建礼門院がメインだが、折角訪ねて来てくれる人達に、「あんな人達の世話になるなんて」と思うところは、なかなか可哀想なだけの女性ではない。今回、平家物語を本書で通して読んでみて、これまで自分の中で勝手に誤解していた部分が修正され、また欠落していた物語が繋がり、今後、また改めて原文も読んでみようかと言う気にさせられた。
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