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ニュルンベルク軍事裁判〈下〉

ニュルンベルク軍事裁判〈下〉

ジョゼフ・E. パーシコ

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はるな
はるな
2011年11月読了
下巻は裁判も佳境に入り、読み応えのある反面、コミカルさはなりを潜めて悲壮感もただよってくる。

下巻ではゲーリングが尚更目立つ反面、ジャクソンはさらに魅力に欠けるキャラクターに……。むしろイギリス人のマックスウェル・ファイフとかバーケットといった人物の方が魅力的。このあたり映画では改変されてたけど、まあ史実を歪めていると非難するのは簡単だけど、ドキュメンタリーでもあるまいに史実通りにことを進めたら映画として破綻しかねないし、そこはエンターテイメントとして割り切るしかない。

ゲーリングにとってはヒトラー含めて幹部クラスが死んでくれて有難いだろう。地位の高さに比べて日陰の身だった自分がついに全世界から注目されるわけだから。ゲーリングの場合死刑が確定してるようなものだろうし、だったらその末路さえ受け入れてしまえば殉教者としてなんとでも言えるわけだから。

ただかわいそうなのは、やはりそれが虚勢でしかなくて、死が近づくにつれてふさぎ込んでいくのが読んでて辛い。ゲーリングに限らずだけど、ナチスの人非人扱いされてる人間だって感情はあるわけで、そのあたりを描写してくれたのが嬉しい。ナチスの罪を否定はしないけど、逆差別されてるんじゃないかとも感じる。真っ向から人間性を否定されてるというか。

ところでシュペーアは出番がそこそこある割には最後までキャラクターが希薄な人物だった。保身に走ったといえばそれまでなのか、もちろん心の底から懺悔なんてしてないと思うんだけど、その割には卑怯者と言った感じもないし、よくわからない。









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