レビュー

zooko012
2011年6月読了
夜逃げ、文学賞受賞、自営バーの破綻、同僚の女教師との結婚、ポルノ作家への転身・・・。先日他界した団鬼六の聞き書き的自伝である。波瀾万丈にすぎる内容で、興味深くないわけではない。ただ、断筆、将棋雑誌主宰、棋士のパトロン、廃刊による自宅競売など、SMと並ぶべき、将棋に纏わるエピソードがゴッソリ抜け落ちている.また、構成や文体もいまいちで、所詮、新書という感じか。将棋世界の元編集長で現恋愛小説家(?)でもある大崎善生(「聖の青春」)が団鬼六の評伝を執筆中とのことである。大適任であり、むしろそちらに、大期待。なお、本書は、「情報考学」推薦。