この本について
はずみで人を殺してしまったヴェトナム帰りのダンは、余命いくばくもない身ながら逃避行に出た。道連れは顔半分に痣のある美少女に、ダンを追う三本腕の賞金稼ぎとプレスリーのそっくりさん。アウトサイダーにされてしまった者たちは、癒しを求めてひたすら南へ向かう。温もりと恐怖が混ざり合う不思議なロード・ノヴェル。
みんなの評価
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レビュー
再読。大好きなマキャモンの大好きなアメリカ南部の話。『少年時代』で、勇気とは他人のために自分を犠牲にできることだと書いていたマキャモンだが、これもまたそれを伝える話ではないだろうか。マキャモンの小説は例えホラー作品でも、そうした勇気のある人間が主人公であることが多く、胸が熱くなることもしばしばで、この本も例外ではない。もちろんサスペンス的な面白さも秀逸だし、ファンタジー的な味付けもマキャモンらしいところ。そしてこの作品は、アメリカ南部の雰囲気を思う存分に味あわせてくれる。
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