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渋沢栄一〈1〉算盤篇

渋沢栄一〈1〉算盤篇

鹿島 茂

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MiniK
MiniK 2012年4月読了
資本主義というのは、自己利益の最大化を狙う人間(エコノミックマン)たちが参加するバトルロワイヤルのようなものだが、最終的勝利者になるのは、どういうわけか、強欲一辺倒の参加者ではなく、モラルを自分の商売の本質とみなす渋沢栄一のような参加者と決まっている。理由は簡単で、その方が永続的に儲かるから。

影響というのは、受容者が無差別的に受け取るものでは決してなく、むしろ受けるべく定められた影響のみを、無意識に取捨選択するものだからである

「読書に働きをつけるには、読みやすいものから入るのが1番よい。むつかしいものを読んでも、これを本当に自分のものとして活用するには、相当の年輩になって世間の物事を理解する様にならなければ駄目であるから、今の中は面白いと思うものから読むがよい。唯、漫然とよんだだけでは何もならぬから、心をとめて読むようにするがよい。そうすれば知らず識らずの間に読書力がついて、段々面白くなるものだ」

「競争」こそがより良い商品を作るための基本原理であるということ、そして、この原理が機能するには、必ずしも金銭は必要なく、職業に対する誇りを外部から認知してあげるようなシステムがありさえすればいいと考えていたことがわかる

栄一のように理不尽を理不尽と叫ぶ精神は、あきらかにルール違反だった。〜栄一はゲームには加わろうとせず、別の体系の規則をもってこれを判定しようとした。そして、別のルールを持ち出したという点において、栄一は、あきらかに、時代の拘束にとらわれない感性をもった「新人類」として登場したことになる

「この事があって以来、事に触れ物に応ずる毎に幕府の政治を呪い、自分もどうかならねばならぬといふ念慮が胸中を離れる事がなかった」

マイナスの経験をどのようにプラスの教訓に転化できるかの問題である。それはひとえに個人の資質に帰する

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