この本について
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度......。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸
みんなの評価
4.5
5
4
3
2
1
レビュー
翻訳もの+微SF(?)と、苦手分野なタイプの小説だったので、どうすっかな・・・と不安はあったものの、意外とすんなり読むことが出来ました(時間かかったけど)。
この小説は感想を書くのが難しい。
一見繊細な青春小説の体に見せかけて、そのくせいたるところにサラッとさりげなく核心に迫る単語が潜んでいたりして、そのたびに胸がズキンとしました。
真相に気づいた瞬間から、少し苦めの青春小説は一転して重い命の物語になる。この手法はすごいと思いました。
人を人たらしめるものって何なんだろうか。アイデンティティとか、過去の積み重ねとか。
この小説のようなことがどこかで起こっていても不思議ではないな。見てみぬフリをしてるものの中にも生はある。尊厳はある。そんな事実に目を背け続ける事は、人間としての最大の罪かもなぁと感じました。
この小説は感想を書くのが難しい。
一見繊細な青春小説の体に見せかけて、そのくせいたるところにサラッとさりげなく核心に迫る単語が潜んでいたりして、そのたびに胸がズキンとしました。
真相に気づいた瞬間から、少し苦めの青春小説は一転して重い命の物語になる。この手法はすごいと思いました。
人を人たらしめるものって何なんだろうか。アイデンティティとか、過去の積み重ねとか。
この小説のようなことがどこかで起こっていても不思議ではないな。見てみぬフリをしてるものの中にも生はある。尊厳はある。そんな事実に目を背け続ける事は、人間としての最大の罪かもなぁと感じました。
読書ステータス
読了
5人
読みたい
1人