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越境者松田優作

越境者松田優作

松田 美智子

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レビュー

ぼんぼん
ぼんぼん
2008年7月読了
私は松田優作のことを全然知らない。
今でも信者がいっぱいいて、伝説の役者で、「なんじゃこりゃぁぁぁ!」の人。というイメージしか持っていない。ああ、それよりも龍平&翔太兄弟のお父さんというの印象がいちばん強いかも。
そんな状態で、一番最初に手に取ったのがこの本、というのはいい事なのか悪い事なのか、よくわからないけれど。
松田優作の元奥さんで、ルポライターの著者が書いた評伝です。キレイごとでは済みません。激しい本でした。
テレビや雑誌などで特集が組まれているのをちょこちょこ目にする機会があったときは、「こんな人本当におるんかいな??」とそのエピソードひとつひとつに懐疑的だったのだけれど、この本を読んでからイメージが変わりました。カッコイイだけじゃない、嫌な部分やだめな部分もふくめて、それでもすごく人を惹きつける魅力的な人だったんだなぁと。
渇いてて、孤独で、子供みたいで、純粋で、強い人で、寂しい人で、繊細で、わがままで、血の気が多くて、プライドが高くて、自分を疑わない人。満ち足りなさをバネにできる人。で、自由でもあり、出自や過去や虚勢や自己イメージやら、とにかく『自分』というものに最も縛られて生きていた人。そんな印象を受けました。
とにかくものすごく多面的で単純で複雑で人間くさい人だったのだと。
複雑すぎて、分かったようで余計に分からなくなった。
そんな読後感。受け入れるのにエネルギーがいった。まいった。
そしてそんな松田優作を語る桃井かおり様の言葉はめちゃくちゃ男前で素敵でした。ちょっと真面目に人生かみ締めちゃった。
 
あ、あと一つ前に読んだ『天使はブルースを歌う』という本と時代がほぼ同じ(?)で、登場人物が被りまくってたりして(エディ藩が松田優作の曲をプロデュースしてたとか!)ちょっとコーフンしました。
やっぱギラギラした時代だわ。いいな。

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