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他人の顔 (新潮文庫)

他人の顔 (新潮文庫)

安部 公房

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18人が登録
1件のレビュー

この本について

液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男...失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復のあがき...。特異な着想の中に執拗なまでに精緻な科学的記載をも交えて、“顔”というものに関わって生きている人間という存在の不安定さ、あいまいさを描く長編。

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レビュー

miyan
miyan
2012年4月読了
まさに「狂気」が生み出す世界。
一人の顔に疵を受けた男の「仮面計画」
自信の回復、
そして、慢心ゆえの喪失…
すべてがまるで流れるように過ぎ去っていって
不気味さを増しています。

そして「自信」の象徴は
結局最後には「喪失」の象徴へと変化します。
その何と言う哀れなことか。

これは人の心にも置き換えられそうです。
実に深い、深すぎます。

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