この本について
老人は語る。朗々と歌い上げる民謡に想いを込めて、時には笑い、時には涙を流しながら、自らの過去を語る。地主の放蕩息子はバクチに身を滅ぼし、親を亡くし、国民党軍に徴用される。飢えと戦闘の中で命を取り留めながら、解放軍の捕虜となり、ようやく家に戻れば降りかかる数々の病苦と災難...。その苦しみは想像をはるかに超えて苛刻だった。しかし、その人生を語る老人の姿は魅了されるほどに潔い。四十数年の時を経た今、老人が口ずさむ歌には、生き続けることの意味が重く響いている―。中国で二十万部を超えるベストセラーとなり、香港、台湾に続いて欧州各国で翻訳出版。世界的名匠、張芸謀監督により見事に映画化された。今もっとも高い評価を得ている現代中国の作家、余華の傑作、待望の本邦初訳。
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