📝 レビュー (Yooさんのレビュー)
評価:
4/5
レビュー:
源氏物語の第5巻。若菜上、若菜下、柏木、横笛、鈴虫が収録されている。源氏は39歳から50歳。話の中心は女三の宮だが、名前からもわかるように彼女の扱いは雑なので、彼女を起点とした源氏、紫の上、柏木、夕霧の動きが中心である。女三の宮は朱雀院の娘で、朱雀院がその行末を一番心配しているというので誰もが妻に迎えたがる。女三の宮は源氏が朱雀院に押し付けられたという体だが、この時代の価値観として、位の高い女性を正妻に迎えたいということがあるらしく、源氏はそれに加えて藤壺の宮の姪ということもあって、結構その気満々という辺り、紫の上には悪いが源氏らしい気がする。その女三の宮に柏木が横恋慕し、その罪の重さに柏木は死に、女三の宮は出家というのがこの巻のクライマックスである。罪の重さと言えば、尚侍の朧月夜、つまり帝の女を寝取った源氏の方がよほど罪が重い気がするが、本人は何も悪いことしてないのにと平気で、柏木とは大違いである。話は戻るが、女三の宮を正妻に迎え、紫の上はどんな寂しい生活なのだろうかと思っていたのだが、読んでみると邸の実権を握っているのも源氏の寵愛を受けているのも紫の上で、そういう意味では女三の宮が可哀想だ。そもそも13〜4の娘が40男に嫁いで面白いとは思えないが。もう一人活躍するのが六条御息所だ。紫の上を殺し損ね、女三の宮を出家させる。ちょっと便利に使いすぎな気もする。後半の2編は夕霧と柏木の正妻の落ち葉の宮との話で、子供たちの面倒を見る普通の人である妻の雲居の雁との対比が際立つ。紫式部は何を思ってこれを書いたのか。
読書履歴
2025/07/06
377ページ
2025/07/06
362ページ
鈴虫読了。あれだけ活躍したら中宮も心配になるよね
2025/07/05
342ページ
横笛読了。源氏も自らのことを棚に上げて、よく言うよ
2025/07/02
316ページ
柏木読了。六条御息所を便利に使い過ぎだよ、紫式部さん
2025/06/28
263ページ
六条御息所久々の登場…やはり悪いのは源氏
2025/06/18
136ページ
若菜上読了。女三の宮登場。寵愛を失う紫の上…でもない
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