
孤高の人〈上〉 (新潮文庫)
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2011年11月8日に更新
内容紹介
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。

📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)
レビュー:
面白い、だが、フラットでなく、後味が悪い。本著は、昭和初期の日本アルプス単独行をはじめて成し遂げた加藤文太郎の評伝小説である。山岳小説の中でも傑作の呼び声も最も高い。労働運動、スパイ狩り等の背景を織り交ぜつつ、ハラハラどきどき夢中に読了したが、問題は、主人公を美化するあまり、悪役がとことん貶められていること。本書では、文太郎の最後の遭難は、幼稚で自己顕示欲の旺盛な若者の宮村猛の我が儘につきあわされたことが原因であるとの解釈で、宮村の至らなさがこれでもかと描写される。辟易し、気になってネットで検索をしてみたら、史実はこれとは異なるとのこと。物語としてみても後味がよくないのに、史実と異なるのでは、あんまりである。新田次郎、今後、読み続けるかどうするか・・。
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