📝 レビュー (Yooさんのレビュー)
評価:
4/5
レビュー:
源氏物語の第8巻。浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋が収録されている。これで宇治十帖が完結すると同時に源氏物語も終わる。匂宮と薫との間で揺れる浮舟が描かれている。母親や乳母は誠実そうな薫を、浮舟の心情を察している女房たちは匂宮を推す中でハッキリしない性格の浮舟が悩む、現代でもありそうな話ではある。筋からいけば薫を選ぶべきなのだろうが、蜻蛉で薫が女一の宮に惹かれる下りを読むと熱の無さがわかり、熱烈に迫る匂宮に流れてしまったのもわかる気がする。比叡山から降りてくる薫の行列が小野に居る浮舟からも見えるなどと言う辺りはさすがに現代では考えられないし、すぐに出家したがるのも違うとは思う。だが、燃えるような恋はできなくて、相手の気持ちを疑ってしまい、ついつい外聞が気になってしまう様なところは現代にも通じるのかなと思った。しかし、長い源氏物語の終結がこれなのか、もう少し収まるまで描いてほしいと思うのは私だけか。これくらいの方が余韻があって良いと言うことか。これだと、また匂宮が嗅ぎつけて間違いが起こりそうな気がするのは私だけだろうか。
読書履歴
2025/09/21
331ページ
読了
2025/09/21
279ページ
夢浮橋読了。えっ、これで終わり?
2025/09/16
256ページ
手習読了。驚天動地の真相
2025/09/13
170ページ
蜻蛉読了。もう心変わり?
2025/09/07
97ページ
浮舟読了。もう少しどうにかならなかったのか
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