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僕の名はアラム (新潮文庫)

僕の名はアラム (新潮文庫)

ウィリアム サローヤン

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87,669回参照
2016年4月24日に更新

書籍情報

ページ数:
262ページ
参照数:
87,669回
更新日:
2016/04/24
所有者:
zooko012 zooko012さん

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📝 レビュー (zooko012さんのレビュー)

レビュー:
自分にとって郷愁の固まりの小説である。中高の英語の副読本の一つにサローヤンがあり、しみじみと良き小説として心に残っていた。また、本書は、「村上柴田翻訳堂」のシリーズ第1作であるところ、自分は、大学時代、当時まだ無名だった柴田元幸の授業を受けていたからである。

そして○十年ぶりに改めて読んでみて・・。アルメニア系アメリカ人の少年の心情をみずみずしく描いた連作短編と記憶していたのだけど、実は、風変わりで頑固で偏屈だけど、人生の真実を知っていた大人たちのナイーブなみずみずしさ、哀しさを描いていた小説だったと感じた。

印象に残った一説(「僕のいとこ、雄弁家ディクラン」)。演説大会で蕩々と世界を論じ拍手喝采を浴びた11歳の少年に語りかける67歳の老人。

「(おまえの演説の)そういう壮大な、美しい発言は、11歳の子供の口からのみ出てくるに値する。自分が言っていることを本気で信じているものの口からのみ出てくるに値する。・・本から世界を探求する営みを続けるがいい、おまえが努力を怠らず目も持ちこたえるなら、67歳になることにはきっと、その言葉の恐ろしい愚かさがわるはずだ。今夜おまえ自身によってこの上なく無邪気に、かくも純粋なソプラノの調べにのって口にされた言葉の愚かしさが。ある意味でわたしは、この一族の誰よりんもおまえのことを誇りに思う。みんな下がってよろしい。わしは眠りたい。わしは11歳じゃない。67歳なのだ」

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