
時載りリンネ! 3 ささやきのクローゼット (角川文庫―角川スニーカー文庫)
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2008年7月12日に更新
内容紹介
膨大な知識と認識の集積地である、時載りが住む尖塔“バベルの塔”。その塔から世界に7人しか存在しない“時砕き”として承認されたリンネは、時の把手と呼ばれるドアノブを授かり、いつでもバベルの塔に行くことが可能になった。そしてリンネと僕は、新たなわくわくする冒険を求め塔に行き、ひとりの女の子と出逢う。しかし人間界の1分が、塔での25分にあたることに気がついた僕らは、時が持つトラップに巻き込まれていく―。

📝 レビュー (aoitakuさんのレビュー)
評価:
5/5
レビュー:
この作品は、時間SFであり、そしてこれは児童文学でもある。もちろんライトノベルではあるけれど、これは、無邪気で、愚昧な子供たちが、冒険して、成長するジュヴナイルだから。
今回の物語の時間の仕掛けは、なかなかに凝った内容だったと思います、が、仕掛けを語るにあたって、もうちょっと伏線があれば、というのが非常に惜しいところ。このあたりが練りこまれることで、SFとしてもよくできた作品になっていたことと思います。
ただその手のミステリ的問題提示と解決という構図は、ともすれば、子供たちの、子供たちであるからこその、無知や、浅慮さによって引き起こされる大失敗、そこから何か学び、成長する、という過程を歪めかねないのかも、とも思うので、なんとも。
ドラえもんでひみつ道具についてあれこれ講釈を垂れないのは、大事なのはひみつ道具がもたらす不思議がどうのこうの、ではなく、その不思議によって、彼らが何を得るのか、というところこそ大事だからではないでしょうか、と、疑問系で終えてみます。
結論を出さないのは日本人の悪いところであり、一方で、ぼくらの文学を育んできた地盤でもあると思うので。
***
といいつつ、これはラノベなのでMVPを。
リンネ一等賞!
といいたいけど、ハルナさんで。次点でリンネ、G、凪の順。ルウももうちょい出番がほしいなぁ。
今回凪は本当におまけというか、デウスエクスマキナとしての役割を全うするためだけに登場した感。かえってすがすがしいですけど。
重ねて書くけど、ルウの出番をもうちょい増やしてあげてほしいなぁ。SF的な仕組みの謎解きをやるなら、ルウを探偵役に持ってくれば、結構いい感じだったんじゃないかなーと思うし。完全外野だったもんなぁ。
今回の挿絵の見所はルウのおでことハルナさんがリンネのほっぺをふにふにするところでした。おなかいっぱい。絵の人はだいぶ上手になってきたと思います。いや、もともと下手ってわけじゃないけど、いい感じにこなれてきたというか。
今回の物語の時間の仕掛けは、なかなかに凝った内容だったと思います、が、仕掛けを語るにあたって、もうちょっと伏線があれば、というのが非常に惜しいところ。このあたりが練りこまれることで、SFとしてもよくできた作品になっていたことと思います。
ただその手のミステリ的問題提示と解決という構図は、ともすれば、子供たちの、子供たちであるからこその、無知や、浅慮さによって引き起こされる大失敗、そこから何か学び、成長する、という過程を歪めかねないのかも、とも思うので、なんとも。
ドラえもんでひみつ道具についてあれこれ講釈を垂れないのは、大事なのはひみつ道具がもたらす不思議がどうのこうの、ではなく、その不思議によって、彼らが何を得るのか、というところこそ大事だからではないでしょうか、と、疑問系で終えてみます。
結論を出さないのは日本人の悪いところであり、一方で、ぼくらの文学を育んできた地盤でもあると思うので。
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といいつつ、これはラノベなのでMVPを。
リンネ一等賞!
といいたいけど、ハルナさんで。次点でリンネ、G、凪の順。ルウももうちょい出番がほしいなぁ。
今回凪は本当におまけというか、デウスエクスマキナとしての役割を全うするためだけに登場した感。かえってすがすがしいですけど。
重ねて書くけど、ルウの出番をもうちょい増やしてあげてほしいなぁ。SF的な仕組みの謎解きをやるなら、ルウを探偵役に持ってくれば、結構いい感じだったんじゃないかなーと思うし。完全外野だったもんなぁ。
今回の挿絵の見所はルウのおでことハルナさんがリンネのほっぺをふにふにするところでした。おなかいっぱい。絵の人はだいぶ上手になってきたと思います。いや、もともと下手ってわけじゃないけど、いい感じにこなれてきたというか。
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