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バスジャック

バスジャック

三崎 亜記

この本の所有者

2人が登録
64回参照
2008年5月3日に更新

書籍情報

ページ数:
228ページ
参照数:
64回
更新日:
2008/05/03

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内容紹介

驚愕のベストセラー『となり町戦争』の新鋭作家最新作。奇想炸裂の快作から、胸を打つラブストーリーまで。日常を揺るがす驚きと感動の全7編。
Google プレビュー 書籍情報提供: Google Books
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📝 レビュー (ぼんぼんさんのレビュー)

評価:
5/5
レビュー:
SFチックだったり、ゾッとさせられたり、ホロリとさせられたり。
なんとも一風変わった短編集。
一冊の本でここまで振り幅を大きくできるとはほんとにすごいな・・・。
  
『二重扉をつけてください』『バスジャック』の2作はシニカルで何気にブラックで世にも奇妙な物語テイストかな。めちゃくちゃおもしろかった!
こういうの好きだね。
特に、『二重扉』の見積もりにやってくる胡散臭い営業マンの描写に笑ってしまいつつ不気味さを感じてドキドキして、「原住民」のそこはかとなく電波っぽい文章にゾクリ。オチではまさか・・・やめてやめてうわぁぁぁぁぁという気分にさせられました。
 
『しあわせな光』『雨降る夜に』のような掌編も、切なくてあったかい気持ちにさせれられて、たった数ページの物語なのに沁みました。
 
『動物園』は着眼点と発想力SUGEEEEEEEEEと唸らされたし、自分が今まで見てきたものや、そこに存在して当たり前だと思っていたものを思わず振り返ってしまいました。
 
『二人の記憶』『送りの夏』は、愛の形、積み上げてきた思い出、ずっと続いて変わらないと思っていたものとの別れ、変わっていくもの、失くしてしまったものへの折り合いのつけ方などをそれぞれの登場人物を思いながら読みました。
特に『送りの夏』は素晴らしかった。まず描写が美しい。夏と海と愛する人と生と死と。
「死」を通して描かれる成長物語は数多くあるけれど、こんな風に主人公からワンクッション置いた視点から描かれる死と生の物語は読んだ事がなかったので、なんだか新鮮な感動がありました。これ映像化してほしいなぁ。
読後の余韻が、本多孝好の短編集と少し似てるかなと感じました。
じわっと沁みるこのかんじ。
  
上質な短編映画を見た気分にさせてくれる一冊でした。

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