
レビュー

zooko012
2016年5月読了
今、自分の中で、若冲展の影響からか、「絵」「江戸」ブームであり、たまたま手に取った一冊。外国人の手によるものだからか、むしろ江戸の町の息吹がリアルに伝わってくる。変人北斎に振り回されつつも、自身に才能があるからこそ、北斎の凄みを誰よりも承知。親子として、同志として、伴侶?として寄り添いつつの、北斎と一心同体の応為の頑固ぶり?が何ともチャーミング。北斎との丁々発止のやりとりも楽しい(杉浦日向子の「百日紅」でのお栄(アゴ)とも共通する)。評伝小説としては、世評のよい「等伯」とか「若冲」より全然質が高い(主人公達が躍動している)。北斎の画集、買おう!