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ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

ジョージ・R・R・マーティン

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この本について

辺境の植民星サン・パウロで、探鉱師ラモンは、酒のうえの喧嘩でエウロパ大使を殺してしまった。大陸北部の人跡未踏の山間に逃げこんだものの、ラモンは謎の異種属と遭遇し、つかまってしまう。しかも、異種属のもとから脱走した人間を捕らえる手先になれと命令された。異種属の一体、マネックに“つなぎひも”でつながれ、猟犬の役をはたすことになったラモンの運命は...?人気作家三人による、スリリングな冒険SF。

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レビュー

机龍之介
机龍之介
2011年8月読了
「『いきのこるのは、おまえのほうであるべきだったのにな・・・・・・カブロン』とラモンはいった。つばが顔を流れ落ち、雨とともにしたたっていく」

ネタバレありの感想。

 単純に面白いとしかいいようがなかった。秘密基地を目撃した地球人を追いかけるため、異星人に猟犬役として利用される男のストーリー。男の出自の秘密や、すでに猟犬役を務めさせられていた地球人の役割に気付く下り、異星人との旅、追いかけている地球人と一緒になって逃げる逃避行、異星人に対する最終的な決断。話の二転三転がとても心地よく、スリリングな展開が醍醐味。まるで良質のアクション映画でもみているみたいで面白かった。主人公の心情の機微もよく表現されていて、その揺らぎが物語にいいアクセント加えていた。
 主人公がひたすら被抑圧層に属しているが、なんとか這い上がろうとタフに生きてる姿が妙味になってる。ヒスパニック系、貧民、鉱山師という博打商売、地球人という存在自体が被抑圧層、しかも異星人の猟犬、コピーという出自・・・。こういう下の立場から上を見上げ、権力に少しでも抵抗し続ける、そんなささやかな徹底抗戦が冒険譚として面白かったのかもしれない。

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