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浮世艶草紙 (1)

浮世艶草紙 (1)

八月 薫

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レビュー

らんぶる
らんぶる
2011年2月読了
江戸の性文化を描いたマンガです。絵を描かれている八月薫さんの画力が非常に高く、全てにおいて艶っぽい作風となっています。ストーリーも良く、また江戸の性文化だけでなく、日常生活も分かって読んでて面白かったです。

江戸時代の日本人は性についてかなりおおらかで、西洋人の目にはかなり衝撃的に写ったようです。処女信仰みたいなのも海外から入ってきた文化のようですが、その海外が1960~1970年代にはフリーセックスを叫んでいたのですから、ある意味海外の方が時代遅れと言えるかもしれません。

先月、江戸東京博物館へ行ったとき色々な展示物を見ましたが、その中でも江戸町人の人口構成が1721年(江戸時代中期)のとき、男女比がほぼ2:1と男余りの状態にあり、1832年(後期)になってからほぼ1:1になっているのを知りました。本作品の第七話「夢芝居」で「何しろ江戸は男の半分しか女がいないので一生所帯を持てない男もざら」と説明があるので、おそらく江戸時代中期の頃の文化が描かれているのだと思います。また江戸東京博物館には吉原についての展示もあり、吉原での一年間のイベントや一日の生活、当時の吉原のガイドブック「吉原細見」(遊女の等級や金額などが記載されている本)の展示もありますので、このマンガで興味を持たれた方は、機会があれば江戸東京博物館に寄られるのもいいかもしれません。

巻末には原作者による4つのコラムがあり(各1ページずつ)、こちらも非常に面白かったです。

下記に目次とその内容を記します。

目次

* 和合指南 武家に嫁ぐときの性の指南について
* 箱入男 男、女それぞれの大人の玩具について
* 介添女 生娘に閨房(ねや)のことを教える女性について
* 石榴口 風呂屋(銭湯?)について
* 不開間 大奥について(必ずしも男子禁制ではなかった)
* 水揚げ 吉原の遊び方や遊女について
* 夢芝居 芝居小屋について
* 夜這い 夜這いについて(吉原についても少々)

巻末コラム

* 其の一~江戸の性と現代の性~
* 其の二~お江戸ラブホテル事情~
* 其の三~女性が売り手市場の江戸~
* 其の四~アダルトグッズも多種多様~

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