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ゲーリング言行録―ナチ空軍元帥おおいに語る

ゲーリング言行録―ナチ空軍元帥おおいに語る

金森 誠也

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はるな
はるな
2011年12月読了
ゲーリングに関する著作が極端に少ないのは(外国でも事情は変わらなそうだ)なによりも彼がイデオロギーにかけているのが第一で、割と早期に実権が失墜していること、極端に俗物的であること等あるだろうが、その意味では貴重な、ゲーリングに関する著作と言える。

中身自体は断片的で、ゲーリングも話したくないことは話さない上に他人の評価などに関しては私情が混じりまくりの、おおよそ公正とは言いがたいものなのでそこまで精読に耐えうるものでもない。娯楽用というかんじの本。この著者は結構コンビニ本も執筆しているし……。なぜそんな商業主義的な著者が、ゲーリングなど、あまり採算も取れなさそうな題材で本を出したのか疑問だが。

ゲーリングはどの本を読んでも、残された発言を見ても、常に芝居がかった、子供じみた言動ばかりしているので、話半分で捉えているが、その分面白さで言ったらダントツだと思う。言うことが極端でエンターテイナー性には満ちている。

自己肯定がさすがに極端すぎるのでこれは故意にやっているのかとも思ったが、インタビューなど見てると皆多かれ少なかれ自己肯定というか、あまり謙遜はしてないので単に西洋人と東洋人の感覚の違いかもしれず。それにしてもゲーリングは特殊な例だとは思うが。

しかし不思議なのはゲーリングが比較的にヘスを行為的に評価していること。もちろんヘスのヒトラーに対する忠誠心はゲーリングには都合がいいのだろうが、何を起こすかわからない存在でもあるし、これは意外。あとデーニッツは二代総統となった上に内閣からは省かれ、そもそも性格からして根本的にあいそうもない割にはゲーリング言うところの共同戦線を張っていて、これも違和感。単に利害が一致したのだろうが……。

ゲーリングがドイツ国民に人気があったというのは嘘ではないのだろうが、しかし公人なのだし、私権尽くめの戦争ベタなど憎悪の対象にしかならないと思うのだが。ドイツ人はそれ程までに愚かなのか?よくチャーミングな人柄と言われているのもよくわからない。性格も人相もだいぶキツそうだが……。








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